自宅に仮想環境を作りたい
勉強のために自宅にKubernetesノードを建てたいとふと思いました。
ただ、物理サーバー丸々KubernetesノードにしちゃうとそのPCの上では基本的にコンテナしか動かせなくなっちゃうし、せっかくならもう少し汎用的に使いたい。
複数Node構成を試したりするときにも、いちいちPCを追加で用意するのはハードルが高い。
ということで今回は、まずProxmoxというハイパーバイザーで仮想環境をつくって、その上にKubernetesノードのVMを作る感じにしてみたいと思います。
Proxmox VEとは
ハイパーバイザーというと有名どころはやはりVMwareのESXiでしょうか。
仕事で触った経験もありESXiを導入したかったんですが、ライセンスが高い、無料版は制限が強いなどの関係で見送ります。
Proxmox VEはオランダの会社が開発しているKVMベースの仮想化ソフトウェアで、ほぼすべての機能を無料で使うことができます。
機能もかなり充実していて個人で使う分には十分そう。
用意したホストマシン
ヤフオクで中古のミニPCを2台用意しました。
RAMとSSDは心もとないが、初期投資を増やしてもあれなのでいったんこれで。
- Lenovo ThinkCentre M73 Tiny * 2台
- CPU Core i3-4130T 2.90GHz
- RAM 8GB
- SSD 256GB
Proxmox VEのセットアップ
オフィシャルのマニュアルはこちら。英語しかないがけっこう詳しいので基本的これにしたがう。
Proxmox VE Administration Guide
BIOS設定
ハイパーバイザーとして使うために、CPUの仮想化オプションを有効にしておく必要があります。
インストールメディアの作成
下記のリンクからインストールイメージをダウンロードできるので、事前にUSBメモリに焼いておきましょう。
https://www.proxmox.com/en/downloads/category/iso-images-pve
Proxmox VEのインストール
インストールイメージを焼いたUSBメモリを挿して、PCを起動します。
LenovoのPCの場合は起動時にEnter連打して、BIOSからUSBメモリをブート。
Proxmoxのメニューが表示されたら、Install Proxmox VEを選択して以降のインストールを進めていきます。
迷うところはあまりないが
- E-Mailはダミーで問題ない
- ホスト名はFQDNで指定するが、この段階で名前解決できている必要はない
管理コンソールにログイン
Proxmoxのインストールが完了したら自動で再起動が走り、管理コンソールにアクセスできるようになっているはず。
https://<サーバーのIP>:8006
Proxmoxホストの証明書をインポートしていないのでTLSの警告がでますが、無視しましょう。
ログイン画面が表示されたら下記を入力してログイン。
ユーザー名 | root |
パスワード | インストール時に設定したパスワード |
レルム | Linux PAM |
言語 | Japanese |
セットアップが正常に完了していれば、ログインできます。
パッケージアップデート
インストール直後はリポジトリが設定がされてないので、Proxmoxのセキュリティアップデートがダウンロードできません。 ProxmoxはDebianベースのOSなので、aptでパッケージ管理できます。
Proxmoxからはエンタープライズサブスクリプション用のリポジトリと無償版用のリポジトリが提供されていて、無償版は商用利用に推奨されてないとのことですが、あるだけ上等です。
左ペインからホストを選択 - WEBコンソール上でシェルを開く
/etc/apt/source.listを下記のように編集
# /etc/apt/source.list
deb http://ftp.debian.org/debian bullseye main contrib
deb http://ftp.debian.org/debian bullseye-updates main contrib
# PVE pve-no-subscription repository provided by proxmox.com,
# NOT recommended for production use
deb http://download.proxmox.com/debian/pve bullseye pve-no-subscription
# security updates
deb http://security.debian.org/debian-security bullseye-security main contrib
上記設定した後、WEBコンソールからアップデートステータスをリフレッシュします。
内部的にapt updateが実行されます。TASK OKと表示されれば正常終了。
パッケージをアップグレードしましょう。
おわり
とりあえずセットアップは完了
このあとVMを作っていくわけですが、isoイメージをダウンロードしてブートしてやるか、Ubuntuなどから提供されているCloud Imageを使う方法が簡単です。
別記事でかければと思います。